京都に行ったときは割烹?それとも懐石?
『懐石』と『割烹』の違いは何ですか。日本料理のことで最もよく聞かれる質問だ。ネットの情報では、しっくりくる違いや納得が行く説明がなかなか見出せない。そこで答えを探るべく祇園の友人『割烹さか本』2代目主人の阪本龍太氏に聞いてみた。
「懐石と割烹はお客様へのサービスの仕方が少々違います。懐石料理は、コース料理を裏の厨房で調理し、個室のお客様に提供されます。茶道に基づいた最も伝統的な形式です。
文字通り『切る(割)』『煮る(烹)』に由来する割烹は、季節の食材を一品ずつ注文することができます。お客様の好みが示されると板前は目の前のカウンターの裏側で一から調理を始めます。この割烹という形式は1924年、大阪で開店した『浜作』さんが始められたものです。1927年には京都に移転され現在3代目さんに受け継がれています。」
阪本さん、歴史も教えてくださってありがとうございます!
でも、割烹でも懐石料理のようにコース料理をお出しされてますけど、、、
「確かに割烹でも『おまかせ』または店主のお勧めを出すようになりました。これは昨今お客様は日本中に留まらず世界中から来られ、何が産地の食材で旬か、またそれらを生かした調理方をご存知ないときがあるからです。
店主のお勧めは、お客様にもっとも美味しく召し上がっていただけるよう調理や提供の仕方を工夫します。当店では決まったメニューではなく、お任せでお客様のご予算に見合うお料理をご提供します。お客様の味加減やお好みを知ることがとても重要で、これはお越しの度に学ばせていただいています。」
とてもよく解りました! では最後にもうひとつ。一品料理もあり、時にはカウンター席もある居酒屋は割烹とどう違うのですか。
「居酒屋とは主にお酒の場で、多種に渡る一品料理を比較的シンプルに低価格で提供しています。」と、阪本氏は云う。でも、、、彼は実はワインバーの方がお好き。仕事帰りに板前さん仲間といくつかの行きつけのお店で嗜んでおられるらしい。次回は、そちらのお勧めも聞いてみたい。