ツツジを愛でる 2023年春
作者:阪本レイラ
花を愛する人達にとって、京都はうってつけの町だと感じる。梅、桃、桜、ツツジ、藤、紫陽花、蓮、睡蓮と次々に咲き、やがて紅葉が町を染める11月へと続く。単に花木が沢山植えてあるのではなく、一つ一つが周囲にしっくりはまるようにデザインされ、フォトジェニックなシーンを作る。
路地に佇む小さな神社に、庭園の池のほとりに、山に潜む寺院の庭に、自然が生み出す彩は、時には思いがけないサプライズのように楽しませてくれる。古い線路の脇にぎっしり詰まった桜のトンネルを作ってしまったり、浄水場の山肌に一つ一つまん丸に剪定されたツツジを並べ、観る者の感動をもたらすためだけに趣向を凝らしているのが京都だ。一年中楽しめる町である。
今年、一週間以上も早く開花した桜の時期を逃したと思われる方、真っ赤に染まるツツジやしだれ藤が町を華やかに着飾るので心配無用。久留米ツツジは、ピンク、赤、白の花が路地の脇に低い囲いのように咲く。何でもない小道にもサツキがレッドカーペット、いや、レッドロード?を作ってくれている。
長岡天満宮の霧島ツツジは、その代表かもしれない。真っ赤な垣根のような参道を歩きツツジを満喫するもよし、八条が池を見渡す錦水亭にて春の味覚、筍料理に舌鼓を打つもよし。
宇治、三室戸寺にてツツジ園が開園される。2万株のツツジがゴールデンウイーク中に満開になる予定。
4月22日から5月14日 08:30 - 15:40 大人1,000円、小人500円
市内から少しはなれて、高雄では山ツツジが鮮やかに山を彩る。紫がかったツツジも満開になると美しい景色を作ってくれる。
市内では、蹴上の浄水場にピンクや白のツツジの丘が見られ、二条城では広大な敷地にツツジが咲き乱れ、北東に位置する詩仙堂では石川丈山が作庭し、晩年を過ごした山荘跡で彼がサツキを見て過ごした当時の気分に浸れる。
そして、もちろん当館のルーフトップ、スカイフォレストガーデンでもドリンクとお食事と一緒にツツジを楽しんでいただきたい。
京都のツツジマップを作ってみた。是非こちらを持って京都散策へ。