京都カレンダー 秋
9月
9月から秋と言われるが、京都の秋は最後の盆踊りも行われる松尾大社の八朔祭を経てからだ。第1日曜日に獅子舞や赤ちゃんの土俵入りで祭りを盛り上げる。
松尾大社八朔祭り 赤ちゃん相撲
太鼓や踊りに精通していない人にも松尾大社は一見の価値がある。701年に本殿が建てられたという京都でもかなり古い歴史を持つ神社。時代背景の異なった3つの庭園や4月半ばから咲き乱れる3000株と言われる山吹、酒造家が未だに水を汲みに訪れる亀の井。
松尾大社と酒造家との深い関わり
前夜祭は屋台が並び、万灯祭の2500もの提灯が京の夜空を照らす。
9月の京都は少し落ち着いた雰囲気があり、繁忙期を終えたベニスを思い出す。真夏の日差しが弱まり、キノコが喜ぶ程好い小雨もありがたい。萩の花が秋のパレットを、旬の海と山の幸がお品書きを彩る。.
秋を彩る萩の花 - 英語ではブッシュ・クローバー
字のごとく秋刀魚(サンマ)。旬を食す楽しみだ
秋の味覚松茸が王座に着く。赤松の森にひっそりと生息する王者は松茸取り名人によって嗅ぎ分けられる。調理方法は様々だが、その香りと味と貴重な存在が魅了し続ける。秋の魚と言えばサンマ、カンパチ、サケ、日本海の赤い宝石と呼ばれるノドグロも外せない。
秋の味覚の王様 松茸
10月
さあ、紅葉の季節!ホントに?まだでしょ!赤く染まるには夜の冷え込みがないと(night)!。もう少し待とう。
紅葉前線を待つ間に京都の三大祭りのひとつ『時代祭』について話そう。10月22日約二千人の歴史的人物がそれぞれの時代の衣装にまとって巡行する。先ずは明治時代から始まり、歴史を遡るように平安時代へとの1100年間の人々が練り歩く。京都御所を正午に出発し、午後2時半頃平安神宮にて終了。有料席は御所内や主要道路に設置される。
10月22日 時代まつりの巡行参加者
平安時代の美女 色白、ロン毛、重ね着!
10月も下旬になると木々の葉は黄色く色づく。晩秋の雨が降る頃、香ばしい焼き栗が錦市場で飛び交う。カマス、ホタテ、牡蠣は程よく肥えて、銀杏や柿が彩を添える。
京丹波の栗ご飯 土鍋から香る
11月
天高く、青空が気持ち良い。椿や山茶花が花開く。
椿(ツバキ) はかなくも花首から落ちてしまう
薄い花びらが可憐な山茶花(サザンカ)
11月1日から10日間祇園会館では芸舞妓が踊りを披露する。そして華やかに着飾った七五三が神社に見られる頃、いよいよ紅葉シーズンもピークを迎え、12月初旬まで楽しめる。清水寺、東福寺、高台寺、知恩院、南禅寺、永観堂、醍醐寺、あまり知られていない圓光寺や紅葉の北野天満宮も美しい。それぞれお気に入りのスポットに出かける人でにぎわう。魅惑的な夜のライトアップも行程に入れてほしい。
紅葉のライトアップに浮く高さ13mの清水の舞台
紅葉に衣装替えする京の疎水
詩仙堂ではずっと静かに座っていたい
京の正面玄関東寺で五重塔が古都を見守る