陶芸作品 by キーン竹下桃子

もし、土の風合いのある陶芸がお好きお好きでしたら、キーン竹下桃子の作品に心を動かされるのではないでしょうか。2022年11月18日より3日間展示いたします。作品は桃子さんの自然への眼差し、あるいは人生の経験から出てきたイメージの「Embrace」と「Vessels」など。それらは薪を使った高温の窯で焚かれ、伝統とコンテンポラリーが融合した桃子さんの独創的な作品に仕上がりました。

桃子さんの「Curl (カール)」の作品が Genji Kyoto の貴重な一部になるまでのお話しを紹介します。

当館中庭の枯山水の横には床の間があり、掛け軸の代わりに源氏物語の第51帖「浮舟」を描いた屏風絵を飾りました。そのすぐ下には、何を飾るべきか。お客様が縁側に座られたとき、またロビーから観たときにしっくりと収まるものは何か。

そんなときに「Curl (カール)」との出会いがありました。京都のアーティスト、キーン竹下桃子の美しく際立った陶芸作品は、一枚の葉が丸まったようにも見えます。同時に屏風絵の浮舟や枯山水の舟形石を思わせる逸品だと感じたのです。

桃子さんの作品の説明に寄りますと、紐状のコイルを作り手びねりで形付けをし、表面を木製、竹、メタルを使用して撫でつけ土味を生かすことを試み、 5 日間薪窯で焚き続けたことで特別な作品に仕上がったそうです。色合いや風合いは窯焚きが起こす偶然の産物であることを知りました。

桃子さんはインタビューで「色は、私が作ったのではなく、窯の神様が作ってくださったんですよ。」と。

「表面に残るガラス質の水玉の模様は、アメリカではエンジェルティア(天使の涙)と言われています。薪窯で焚くことによって、薪から出る灰などが窯の天井に付いて、それが自然に作品に落ちるので、どこに落ちるかは予測できないもので、窯を焚き終えて冷ましたのちに窯を開けた時、それらを発見することは窯焚きのスリルです。」

「カール」は、コンテンポラリーで革新的でありながら、伝統や受け継がれた技術を駆使しています。これはまさに Genji Kyoto のコンセプトと合致していると感じました。

そして、真の日本を体験できる Genji Kyoto の中で、コンテンポラリー枯山水、和紙を取り入れた高窓、源氏物語のモチーフである照明や家具が収まる中で、桃子さんの作品の展示会をしたいと心躍りました。

Embrace シリーズの一部

すでに国内だけでなく、アメリカ、韓国、台湾でも展示された桃子さんの作品への思いは幼少期から好きだった日本の瓦の土味があり、信楽と京都で学び、アメリカで穴窯での窯焚き手法を学んだそうです。この機会に、温かいお人柄に宿る愛らしい眼差しが輝く桃子さんと出会い、お話を伺ってください。

「伝統的な手法を学びましたが、そこから今は独自の手法を得ました。」と語る桃子さんは現在京都でアトリエを持ち、日々彫刻や日常でも使える作品なども制作されています。

写真提供:キーン竹下桃子

2022年11月18日から20日までの展示会にて、「Embrace(抱擁)」「Vessel(舟)」「Bud(つぼみ)」「Germinate(発芽)」「Sprout(芽生え)」のシリーズから25点展示いたします。

シリーズの名前とオーガニックを象る作品から、もしかしたらご主人のマーク·ピーター·キーン氏から影響を受けたのではと聞いてみました。マークさんは日本庭園の本を沢山著し、Genji Kyotoの庭も手がけたガーデンデザイナーです。桃子さん曰く、自然を愛する自分の作品は、人生の経験から得たイメージからできるもので、もちろんパートナーの視点も影響を受けていることでしょうとのこと。是非、展示会にお越しいただき、桃子さんの陶芸品が私たちひとりひとりにどのような感情を喚起させるか体験してに来てください。

展覧会に出品する作品の一部

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マーク‧ピーター‧キーンが語る源氏京都の庭 

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