『源氏京都』の世界へ - 平安の美とモダンデザイン
単に泊まるだけではない、「物語」を生きるような滞在を体験したことはありますか?
源氏京都では、見える景色、触れる素材、細部のすべてに、深い物語が息づいています。この「物語の体験」こそが、当ホテルの理想であり、デザインの揺るぎない根幹です。
特別なメイキング映像では、チーフデザイナー兼建築家のジェフリー‧ムーサスが、本物の日本体験を創造する情熱と共に、そのコンセプトを公開します。ぜひ映像をご覧いただく前に、京都の中心に生まれた、この特別な場所を唯一無二にしている哲学をご覧ください。
町家から源氏物語へ:コンセプトの誕生
源氏京都の物語は、この場所の原風景、伝統的な京町家から始まりました。
当初の建物は修復できませんでしたが、ジェフは新しい建物に町家のエッセンスを注ぎ込むことを決めました。
しかし、ここでもう一つのインスピレーションが、この地の歴史から見つかります。「ここが、『源氏物語』の多くの舞台となった場所だと知ったのです」とジェフは明かします。
この発見が、デザインのテーマを町家から、千年前の平安時代の詩的な世界へと大きく移行させました。
目指したのは、当時の建物を単に真似ることではありません。相互につながる庭園の中に建物が点在する「寝殿造」の美意識と空間の魅力を、現代に引き出すことでした。
「庭屋一如」(ていおくいちにょ)の理念:建築と庭が溶け合う
源氏京都の核となるのは、古来の理念「庭屋一如」です。これは、庭園と建物が一体となり、調和した一つの存在となるという考え方です。
ロビーに入り、静かな「浮舟の庭」を見れば、すぐに体感できます。「建物がどこまでで、庭がどこから始まるのか、その境目を見分けるのは難しい」とジェフは語ります。
この途切れることのない一体感は、すべての客室にも続いています。各部屋の小さな坪庭が、内と外の区別を曖昧にし、その極みが、都会の隠れ家のような屋上「スカイフォレストガーデン」です。
この庭園での体験の中心にあるのが、家屋と庭を繋ぐ伝統的な縁側(えんがわ)です。
ジェフが説明するように、この「内と外の中間的な場所」は、平安時代の生活の多くが繰り広げられた場であり、自然との対話や静かな思索のために設計された、日本独自の構造です。
素材と匠の技:伝統への現代的オマージュ
本物らしさは、見た目の空間だけでなく、触れる素材そのものから感じられます。Genji Kyotoは、厳選された自然素材と、熟練した職人技の賜物です。
木材と畳: 客室のテーブルやフローリングには無垢の桜材を使用し、すべて天然のイグサでできた畳が温かい調和を生み出しています。
コンクリートの表情: 標準的なコンクリートと、杉板の型枠で作られた独自の柔らかなコンクリートを対比させ、質感の対話を生み出しました。
光を纏う和紙: 和紙アーティスト堀木エリ子氏とのコラボレーションにより、ロビーの窓には特注の大型和紙パネルを建築の一部として組み込むことで外観と内装の間に見事な効果を生み出しました。
発見を楽しむ哲学:細部に宿る深い物語
「建築の非常に重要な特徴は、細部にあります」とジェフリーは断言します。
源氏京都では、ゲストが「発見」を楽しむことが体験の核です。ホテルは層のように設計されており、滞在する時間と共にその姿を現します。
目を凝らすと、こんな発見があるでしょう:
水の流れ: 天井の照明は、入口の蹲踞(つくばい)から始まるテーマであり、鴨川のさざ波を表現しています。
遮りのない眺望: 左官職人が手作業で窓の上部に滑らかな曲面を作り、カーテンレールやカーテンの上部をうまく隠すことにより、視線が自然に窓の外の景色へと流れ、山や街の風景を遮らないような工夫がされています。
くつろぎを生み出す誂え(あつらえ): ほぼ全ての家具がカスタムデザインされていますが、畳の座り姿勢でも快適なパントンチェアだけが、唯一の例外として特別に選ばれています。
芸術的挑戦: 消防設備さえも美の機会に変わりました。必要な煙遮断スクリーンは、伝統色で彩られた天井パネルに巧妙に隠されています。技術的な課題をホテルで最も興味深い特徴の一つに変えています。
あなただけの物語へ
19室すべてが異なる眺めと体験を提供する個性的な客室。源氏京都は、「訪れるたびに、違う体験ができる」ように設計されています。
このユニックなホテルを形作ったビジョンと匠の技の全貌を、ぜひフルバージョンの映像でご覧ください。
歴史が単に記憶されるだけでなく感じられる場所へ。デザインが単に見られるだけでなく、体験する場所へ。
源氏京都の物語へどうぞお越しください。